事業承継の落とし穴
事業承継時にやっておくこと
関係のない第三者から事業承継をする時に気を付けなければならないことは、簿外債務の把握です。(貸借対照表に記載されていない債務)もし予期せぬ債務が発生した時には多額の損失が発生する可能性があるからです。知り合いの社長から会社を購入するとか、休眠会社を購入(いわゆるスモールM&A)するとかで、費用軽減のためデューデリジェンスを省略する方がいらっしゃいます。購入後、何のトラブルもなく営業ができていることが多いことも事実ですが、そこには落とし穴があります。いざ承継した会社名義で借入をしたいと思っても金融機関から借入がスムーズにはいかないのです。金融機関は取引のない事業承継をした会社には疑いの目で審査をします。簿外債務はないですか、もし簿外債務があった場合には前の代表者が債務を負担することを書面でもらえませんかとか言ってきます。なので、費用がかかったとしても、デューデリジェンスを行うことと表明保証を盛り込んだ契約書を交わすことをお勧めします。
表明保証で記載するべき事項
内容としては以下のようなものが挙げられます。
・デューデリジェンスで開示された情報に虚偽がないこと
・財務諸表と会計帳簿は正確であること
・開示していない偶発債務がないこと
・買い手が把握していない訴訟を起訴されていないこと
簿外債務や粉飾決算などが発覚し自社に損失が出た場合、表明保証の内容を遂行し、損害賠償請求や契約の解除などを請求できます
親族外承継やM&Aをする時の判断基準
経営者の高齢化が進み、後継者不足の中、普通のサラリーマンがM&Aや親族外承継をするような時代が来ると思います。その時に承継や買収の判断基準が大切です。いろいろな判断基準があると思います。私のおすすめは、業種に詳しいとかCFが潤沢だとかではなく、その会社の不得意分野が自分の得意分野であることです。承継や買収した後は会社を成長させる必要があります。買収者がITに詳しいならば、買収される企業はITに弱いと会社を簡単に成長させることができます。営業に強い人は、逆に営業が弱い企業を買収すればしかりです。そのような観点から投資を検討してみてください。