融資希望額を満額借入れる方法
資金使途
借入をする時に曖昧な申込をするのはやめたほうがよいと思います。よく、「いくらまで貸してくれる」、「借り入れるだけ借り入れたい」とおっしゃる方が多いのですが、いくら必要かをはっきり伝えることが大切です。
なぜ、そのような曖昧な申込の仕方になるのかと言うと、資金使途がはっきりわからないからです。機械や車両等の購入であれば、見積書があり概算がわかると思いますが、運転資金だとわからない社長さんが多いのが実態です。
運転資金は曖昧なのです。売掛金の回収と買掛金の支払いのずれのための借入なのか、毎月の返済負担が重いための借入なのか、一方で赤字補填の借入なのかいろいろと考えられます。
決算と試算表の提出をお願いし分析すると社長さんの言っていることと、決算書から読み取れる借入金の内容がよく違うことが多いことがあります。そうすると、貸出はしてくれるものの、金額は抑えたものとなる可能性が高いです。
資金繰り表を作成しては
簡単なものでよいので、資金繰り表を作成することをお勧めします。資金繰り表は金融機関にありますので、言えば頂けます。そして、6か月先の入金予定と支払いを記入してみてください。必ず資金が必要な理由が見えてきます。また、その資金繰り表を金融機関に提出すると借入がスムースに行きます。加えて金融機関からの信頼が厚くなります。
その他に資金繰りを作成するメリットは、固定費の内容がよくわかることです。人件費、家賃、諸経費は毎月一定です。これを固定費と言います。それに加えて借入をしているのであれば借入金返済額を加えた金額が毎月必要な現金となります。
必要な現金がわかれば、販売単価や売掛金の回収期間をどのぐらいにすればよいかがわかります。価格競争があり販売単価が必要な粗利を満たさない場合、価格を上げる方法を検討することになります。また、回収期間の長い仕事を受注しないことも検討することになります。大切なのは、販売単価をいくらにしなければならないのか、売掛金の回収期間をどれぐらいにするべきかがわかることが大切です。
経営を継続させるためには、利益を上げることが必要です。必要な利益が上げられない場合、その原因がわかることが大切です。資金繰り表は、まさにその原因がわかるツールなのです。
大規模な設備投資を検討している場合の金融機関対応
大規模な設備投資を検討されている方は是非とも下記のことを実施してください。融資を受ける確率は必ず高くなります。
・精度の高い借入金額を確定させる
機械本体の価格の他に諸経費がかかります。その諸経費を含めた借入金額を見積もってください。
・返済期間を決める。
機械等設備投資は最長でも10年程度です。その期間で毎月の返済額を算出してください。
そうすることで、毎月の必要な現金収入がわかります。
・月次決算をしてください。現状の毎月の現金収入がいくらになっているのかがわかります。そして、設備投資した後の必要な毎月の現金収入との比較してみてください。
設備投資した後に必要な現金収入が確保できる見込みがあればその収入と支払い見込を基に、収支計画表を作成してください。収支計画表は銀行にあります。言えばすぐくれます。
・銀行に訪問し、上記の内容を金融機関に説明してください。そして毎月銀行に訪問し、月次の試算表を提出し利益がどのように推移しているか、今後の見込みを含めて説明する旨を伝え実行してください。金融機関からの信頼は絶大になります。