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札幌 社労士のブログ

2022年10月より求人の募集ルールが変わります!!!   ご注意ください。

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改正職業安定法
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資金調達コンサルタント/社会保険労務士 大学卒業後、中小企業支援の志を持って北海道拓殖銀行に入行。融資業務を担当して経営を学ぶ必要性を感じ、行内選抜を経て、日本生産性本部主催、経営コンサルタント養成基礎講座に出向。認定経営コンサルタント資格取得をして銀行に戻るも、経営破綻。中央信託銀行に就職したが、中小企業支援への想いは忘れられず、悶々とした日を過ごす。 その間、社会保険労務士、行政書士、FP1級、宅建士を取得し、独立を意識する。 55歳を機に三井住友信託銀行を退職し、札幌商工会議所の経営指導員を経て独立。 若き入行時の志を現在実行中。

 

改正職業安定法

 

改正職業安定法のポイント

 

求職者が安心して求職活動をできる環境の整備と、マッチング機能の質の向上を目的として、「求人等に関する情報の的確な表示の義務化」、「個人情報の取扱いに関するルールの整備」、「求人メディア等に関する届出制の創設」の改正が行われました。

 

求人企業に求められる募集情報の的確表示とは

 

求人等に関する情報の的確な表示の義務化に関しては、①虚偽または誤解を生じさせる表示の禁止と、②最新かつ正確な内容に保つための措置を講じなければなりません。この対象となるのは、ハローワーク、募集情報等提供を行う者などすべての雇用仲介業者のほか、これらの事業者に労働者の募集情報を提供する企業です。

義務に違反し、違反の是正を求める勧告等に従わずに公表された企業は、求人不受理の対象にもなります。

①虚偽または誤解を生じさせる表示の禁止では、具体的に次の留意事項が指針で例示されている。

 

虚偽または誤解を生じさせる表示の留意事項

 

・関係会社が存在している場合に、実際に雇用する予定の企業が関係会社と混同されていることのないようにすること。

・労働者の募集と、請負契約の受注者募集が混同されることのないようにすること。

賃金形態、基本給、定額の手当、通勤手当、固定残業代等に関する事項について、実際の賃金等よりも高額であるかのように表示しないこと。

・職種・業種等について、実際の業務の内容と著しく乖離する名称を用いないこと。

 

具体例

 

改正職業安定法

出典:厚生労働省HPより

➀業務内容
職種や業種について、実際の業務の内容と著しく乖離する名称を用いてはなりません。

× 営業職中心の業務を「事務職」と表示する
× 契約社員の募集を「試用期間中は契約社員」など、正社員の募集であるかのように表示する。
× フリーランス(委託)の募集と雇用契約の募集を混同する。

➁賃 金
固定残業代を採用する場合に、基礎となる労働時間数等を明示せず、基本給に含めて表示してはなりません。

×【月給】32万円
○【基本給】25万円 【固定残業代】7万円
※時間外労働の有無に関わらず、15時間分支給。
15時間を超える時間外労働分についての割増
賃金は追加で支給します。

③募集者の氏名または名称
優れた実績を持つグループ会社の情報を大きく記載する等、求人企業とグループ企業が混同されるような表示をしてはなりません。

× A社のグループ会社B社の求人を、「A社は高度なITエンジニアのスキルを持った方を必要としています。」と表示
×【給与】400万円~【モデル給与】1000万円~
(社内で特に給与が高い労働者の給与を全ての労働者の給与であるかのように例示)

○【給与】400万円~600万円
○【給与】400万円~600万円
【モデル給与】555万円
(同職種社員の給与の平均を例示)

 

また指針では、令和4年10月1日以降も、現在と同様に、個別の応募者と最初に接触するまでの時点に、労働条件を明示しなければなりません。

労働条件の明示は、求人等に関する情報の的確な表示とは別に行う必要があります。

 

 

募集情報を最新かつ正確な内容に保つための措置

 

・労働者の募集を変更または終了した場合には、その募集情報の掲載を速やかに変更または終了すること。また、掲載を依頼した募集情報等提供事業を行う者に対して、掲載を変更または終了するよう依頼すること。

・労働者の募集に関する情報の時点を明らかにすること。

・募集情報等提供を行う者から、不適正な募集情報や正確な記載ではない募集情報の訂正や変更を依頼された場合には、速やかにたいおうすること。

なお、募集情報の的確表示に関しては、募集情報等提供事業を行う者に対しても、情報を提供されている求人企業・求職者等から、掲載の中止や内容等の訂正依頼があった場合には速やかに対応するとともに、正確かつ最新の情報でないことを自ら確認した場合、速やかに内容の訂正の依頼または掲載を中止しなければならないことが省令で定められています。

さらに募集情報の類型ごとに、下記表1のいずれかの措置を講じなければならなくなりました。

 

募集情報等の定義の拡大(2022年10月より改正)

改正前

求人等の依頼を受けて求人情報を求職者に提供すること、または求職者の依頼を受けて求職情報を求人者等に提供すること。

       

      ⇩

改正後

①求人等または職業紹介事業者等の依頼を受けて、求人情報を求職者または職業紹介事業者等に提供すること。

②求人情報を求職者の職業選択を容易にすることを目的として収集し、求職者や職業紹介事業者等に提供すること。

③求職者や職業紹介事業者等の依頼を受け、求職情報を求人者や職業紹介事業者等に提供すること。

④求職情報を求人者の必要とする労働力の確保を容易とすることを目的として収集し、求人者や職業紹介事業者等に提供すること。

 

表1 募集情報の的確表示に関する措置

類型 措置内容(いずれかの措置が求められる)
・募集者等に対し求人が充足したときや内容を変更したときには、速やかに通知するよう依頼する。
・求人に関する情報の時点を明示する。
・求人に関する情報を定期的に収集・更新し、その頻度を明確にする。
・求人に関する情報を収集した時点を明示する。
・求職者に対し情報を正確かつ最新の内容を保つよう依頼する。
・求職者に関する情報の時点を明示する。
・求職者に関する情報を定期的に収集・更新し、その頻度を明確にする。
・求職者に関する情報を収集した時点を明示する。

 

 

個人情報の取扱い

 

求人企業等に求められる求職者等の個人情報の取扱いについては、今般の法改正において、求職者等の個人情報を収集し、保管し、または使用する目的を明示することが追加されました。

目的の明示方法としては、インターネットの利用その他の適切な方法と省令で定められています。

なお、目的の明示は求職者の個人情報を収集する際には、求職者等が一般的かつ合理的に想定できる程度に具体的に、個人情報を収集・使用・保管する業務の目的を明らかにしなくてはなりません。

 

まとめ

 

職業安定法5条の4は「求職者等の個人情報を収集するに当たっては、その業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者等の個人情報を収集しなければならない。」としてします。この場合であっても、「本人の同意がある場合、その他正当な事由がある場合はこの限りではない」としています。

求人を行う企業や人材紹介会社等が、上でみたような職業安定法5条の4や労働省告示に違反があった場合、当該企業などは厚労省から改善命令を受ける場合があります(職業安定法48条の3)。また、当該企業が改善命令に違反した場合は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金の罰則を科せられる場合があり、これは両罰規定となっています(法65条7号、法67条)。

さらに、求人を行う企業や人材紹介会社などから上のような行為を行われた就活生や求職者などは、ハローワークや都道府県労働局、労基署などを通じて厚生労働大臣に申告を行い、厚生労働大臣に必要な調査や措置を行わせることができます(法48条の4)。加えて、このような企業などによる違法な個人情報の収集などが行われた場合は、当該企業は不法行為に基づく損害賠償責任を負う法的リスクがあります(東京地裁平成15年5月28日判決・東京都警察学校・警察病院HIV検査事件など)。

採用選考にあたっては、①応募者の基本的人権を尊重し、②応募者の適正・能力を基準として行うことの2点を基本的な考え方として実施することが大切です。そのためには、面接時の注意点を事前に整理して、面接官が面接に臨むことが重要です。まず、面接時に収集してはいけない個人情報を整理しましょう。

また、今回の法改正により個人情報の利用目的を明示することが義務づけられました。2019年には就活生の内定辞退予測データ売買を行っていたことが発覚した「リクナビ事件」が大きな社会的非難を受けました。この事件においては、個人情報保護委員会は、リクルートキャリアだけでなく、リクナビを利用していた求人企業のトヨタなどに対しても、「新しい事業を行うにあたって、社内で組織的に個人情報保護法などの法令を十分に検討していなかった」ことを理由の一つとして行政指導を行っています(個人情報保護委員会「株式会社リクルートキャリアに対する勧告等について」(令和元年12月4日))

・「株式会社リクルートキャリアに対する勧告等について」(令和元年12月4日)|個人情報保護委員会
・リクルートなどの就活生の内定辞退予測データの販売を個人情報保護法・職安法的に考える

求人を行う企業や人材紹介会社などは、収集した個人情報については滅失・毀損・漏えいなどが発生しないように安全管理措置を講じることが要求されます。加えて求人を行う企業や人材紹介会社などが就活生等の秘密に係る個人情報を知った場合はこれを厳重に管理しなければならないと規定されています。(そのため、2019年の就活生の内定辞退予測データの授受を行っていたリクナビ事件の、リクルートキャリアやトヨタなどはこの点にも違反しています。)

採用にあたっては、労働条件の明確な提示、個人情報の取扱いには注意しましょう。

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