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物流の2024年問題。トラック業界はどのように対応すればよいのか?

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物流の2024年物流問題
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資金調達コンサルタント/社会保険労務士 大学卒業後、中小企業支援の志を持って北海道拓殖銀行に入行。融資業務を担当して経営を学ぶ必要性を感じ、行内選抜を経て、日本生産性本部主催、経営コンサルタント養成基礎講座に出向。認定経営コンサルタント資格取得をして銀行に戻るも、経営破綻。中央信託銀行に就職したが、中小企業支援への想いは忘れられず、悶々とした日を過ごす。 その間、社会保険労務士、行政書士、FP1級、宅建士を取得し、独立を意識する。 55歳を機に三井住友信託銀行を退職し、札幌商工会議所の経営指導員を経て独立。 若き入行時の志を現在実行中。

物流の2024年度問題  

2024年問題とは

 

「2024年問題」とは、働き方改革関連法により2024年4月1日から物流業界に生じる様々な問題を指す言葉です。主に「自動車運転の業務」の時間外労働が年960時間と上限規制されることに起因します。「物流の2024年問題」とも呼ばれます。

いくつか改正点がある働き方改革関連法の中でも、「時間外労働の上限規制」が物流業界にとって大きな影響を与えると言われています。なぜなら上限規制によりドライバー一人当たりの走行距離が短くなり、長距離でモノが運べなくなると懸念されているからです。さらに付随して、トラック運送業界の売上減少、トラックドライバーの収入減少、荷主企業の運賃上昇などの問題が起きると危惧されています。

 

運送業界の問題点

  運送業における働き方改革の推進が難しいといわれる背景には、運送業が抱えるさまざまな問題があります。運送業における代表的な問題点について述べて行きます。  

ドライバー不足

   運送業が抱える最も大きな問題の1つが慢性的な人手不足です。運送業は他産業と比べると賃金が約2割ほど低く、かつ長労働時間を強いられる業種です。そのため、労働者が定着しにくいのです。  働き方改革では定着性を高めるために、長時間労働の是正がめざされています。しかし、運送業ではドライバー不足が深刻化しており、この状態のまま労働時間の規制が実施されると、果たして人手が足りるのかという問題も懸念されています。  

労務管理の難易度

   働き方改革では長時間労働の是正のために、管理者による労務時間の管理も求められています。しかし、運送業は各ドライバーが社外で仕事をするという形態であるため、個々の労務管理の正確な把握が難しいという問題があります。  ドライバーの労務管理の方法として、「運転日報」や「デジタルタコグラフ」「チャート紙」「ドライブレコーダー」などの利用がありますが、実際に各ドライバーの労働の様子を監督する人がいないため、労働時間を100%正確に把握するのは不可能と言われています。  

割増賃金率の引き上げ

   2023年4月より、全中小企業における時間外労働の割増賃金率の引き上げが行われます。具体的には、働者が1カ月間で60時間を超える時間外労働を行った場合、雇用者は、超過分の時間外労働に対して賃金を50%割増して支払う必要があります。  長時間労働が日常化している運送業では、多くの企業が割増賃金の支払いを行う必要があります。すなわち人件費がかさむ可能性が大きく、会社の負担になるという図式があります。  

運送業の対応について

  具体的な対応方法については、いろいろとあります。「具体的には生産性の向上」「多様な人材の確保・育成」「取引環境の適正化」です。今回は多様な人材の確保・育成につて述べさせていただきます。 2024年問題   トラックドライバーは、全産業と比較して低賃金・長時間労働→人手不足の解消に向けては、労働条件の改善が不可欠です。 人材の確保育成については3つの対応が考えられます。  

就業規則の見直し

    ・トラック業界は労働時間の長さから1年単位の変形労働時間制を導入していることとが多いですが、1ヵ月単位のシフト制にして柔軟な勤務体制にすることも検討してみてはいかがでしょうか。 ・労働時間削減に取り組むことで、ドライバーの賃金ダウンが生じる可能性があります。労働時間が減っても給料が減るようでは、働く意欲の低下にもつながります。このため、労働時間削減の目標を実現した場合の賃金支給額の減少についてもシミュレーションし、労働時間が減っても収入が減らないような賃金体系の工夫が必要です。 ・労働時間の短縮には完全週休 2 日制導入が極めて有効です。「働き方改革への取り組みに関するアンケート調査」(以下、本アンケート調査)では、何らかの形でドライバーに週休 2 日(週に 2 日以上の休暇取得)を実施しているとした回答割合は66.4%だったが、完全週休 2 日制導入は 13.5%に留まりました。労働時間を他産業の水準に近づけるため、荷主と協力して週休 2 日制の導入とその完全実施に努めてみてはいかがでしょうか。また、年次有給休暇の計画的付与制度等を活用し、休暇の取得促進を図ってみてください。  

ITシステム活用

  ・ITシステムを活用した労務管理の適正化を行いましょう。デジタコグラフは、運転日報・運転評価表・稼動実績等の帳票の自動作成が行えるため、ドライバーの労働時間管理に大いに役立ちます。最近では、評点管理に加え燃費管理やエコ対策等を支援する機能も大幅に強化されており、運行管理の効率化や経費削減といった現実的なニーズに対応してきています。さらに交通事故防止や燃費の改善に向けてドライブレコーダーの導入も検討してみてはいかがでしょうか。 ・加えて、授業員の労働時間管理をより正確に、より簡単に把握するため、クラウド型の勤怠管理システムの導入も検討してみてはいかがでしょうか。さらに給与システムと連携も行いことで、時間管理の課題解決だけではなく、給与計算も自動化でき、業務を大幅に効率化できます。  

組織づくり

  ・トラックドライバーは業務の性質から、孤独になりやすく問題を抱え込む傾向があります。そのため、グループ分けを行い班長がメンバーの相談役となり、班長と運行管理者が組織的に話ができる仕組みを作ってみてはいかがですか。  

まとめ

  猶予されていた自動車運転業務へ働き方改革関連法が適用されることに伴い、物流業界に様々な問題が生じると言われる「2024年問題」。トラックドライバーの社会的地位の向上や労働環境整備の視点から、働き方改革はあってしかるべきでしょう。物流企業においては、働き方改革によるドライバーの労働時間の減少が売上減少につながらないよう、生産性を向上させることが肝要です。テクノロジーを活用して業務効率化を図ることが、2024年問題を乗り越えるカギとなります。 そのために、国もいろいろな助成金を用意しています。資金に心配のある事業者は活用の検討をお薦めします。

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資金調達コンサルタント/社会保険労務士 大学卒業後、中小企業支援の志を持って北海道拓殖銀行に入行。融資業務を担当して経営を学ぶ必要性を感じ、行内選抜を経て、日本生産性本部主催、経営コンサルタント養成基礎講座に出向。認定経営コンサルタント資格取得をして銀行に戻るも、経営破綻。中央信託銀行に就職したが、中小企業支援への想いは忘れられず、悶々とした日を過ごす。 その間、社会保険労務士、行政書士、FP1級、宅建士を取得し、独立を意識する。 55歳を機に三井住友信託銀行を退職し、札幌商工会議所の経営指導員を経て独立。 若き入行時の志を現在実行中。

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