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2023年賃金のデジタル払いを解禁!!!会社が対応することとは

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デジタル給与
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資金調達コンサルタント/社会保険労務士 大学卒業後、中小企業支援の志を持って北海道拓殖銀行に入行。融資業務を担当して経営を学ぶ必要性を感じ、行内選抜を経て、日本生産性本部主催、経営コンサルタント養成基礎講座に出向。認定経営コンサルタント資格取得をして銀行に戻るも、経営破綻。中央信託銀行に就職したが、中小企業支援への想いは忘れられず、悶々とした日を過ごす。 その間、社会保険労務士、行政書士、FP1級、宅建士を取得し、独立を意識する。 55歳を機に三井住友信託銀行を退職し、札幌商工会議所の経営指導員を経て独立。 若き入行時の志を現在実行中。

 

デジタル給与

 

 

デジタル給与のニーズ

 

厚生労働省の労政審労働条件分科会は10月26日、労働基準法施行規則の改正案をおおむね妥当と認め、労政審の答申としました。使用者が同意を得た労働者に対し、厚生労働大臣から指定を受けた資金移動者(指定資金移動業者)の口座に賃金を支払うことを可能とすことになり、給与のデジタル払いが可能となりました。施行は2023年4月1日。制度を導入するのに必要な手続きは、施行通達等で示される予定です。

厚生労働省によると、2021年5月実施の民間調査では、普段からキャッシュレス決済を利用している者のうち、26.9%(およそ4分の1)が制度を利用したいと回答したとのことで、一定のニーズがあるものと想定されます。

 

導入の手続きに必要と考えられること

 

労働基準法第24条で賃金の直接払が定められていますので、原則は通貨(現金)で労働者本人に直接手渡さなければなりません。

しかし、労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者と書面による協定を結べば給料の銀行振込も可能となっていますが、ただし、協定を締結しても個々の労働者との合意は必要となりますので注意が必要です。

デジタル給与の導入時にも必要となる「労働者の同意」とはどのようなものでしょうか。

「労働者の同意」は使用者に強制されず、労働者の事由意思に基づくものであることが前提となっています。それを担保とするために、いくつかの手続等が求められています。

まず、銀行振込等に賃金を振り込む場合と同様に、事前に労使協定が必要となります。締結する内容は、①対象労働者の範囲、②対象となる賃金の範囲及びその金額、③取扱資金移動業者の範囲、④実施開始時期などが考えられます。

複数の選択肢を提示することも必須条件です。労働者が実質的に選択できない状況にならないよう、現金と資金移動業者の2択は認められず、銀行口座または証券総合口座もあわせて選択肢として提示する必要があります。また、提示する資金移動業者も1社に限定せず、労働者の便宜に十分配慮するように注意が必要です。

銀行口座等に振り込む場合の違いやリスクなどを十分に説明し、労働者の理解を促すことも必要です。資金移動業者の口座は、銀行のような貯蓄が想定されないため滞留規制があり、破綻した場合の保証も異なります。不正引出しがあった場合の補償や、換金性アカウントの有効期限も必要です。

その上で個々に同意を得た労働者に対し、資金移動業者の口座への賃金支払いが可能になりますが、厚生労働省はは必要な説明事項等を記載した労働者の同意書の様式例を作成する考えです。また、使用者の負担等にも配慮し、労働者への説明を資金移動業者に委託することも考えられるとしています。

 

同意とあわせて取得したい情報と対策

 

労働者の同意とあわせて使用者が確認するべき情報には、銀行口座等の場合と同様に①希望する賃金の範囲及び金額、②資金移動業者名、アカウントID、③振込開始時期などがあります。加えて資金移動業者の口座への賃金支払固有の事項として、、④破綻時の保証の受取方法(代替口座情報等)も確認する必要があります。

振込エラー対策も講じておく必要があります。労働者の資金移動アカウントに受入上限額が設定されており、残高が上限額に近い場合などでは、振込エラーが発生する可能性がありますので、受入上限額を超える場合の受取方法(代替口座情報等)などを確認する必要があります。このほか、労働者の資金アカウントが適切に特定できない場合に備えて、電話番号や生年月日など、アカウントを特定するために必要かつ十分な情報を確認しておくことが望ましいでしょう。

 

資金移動業者等の情報は厚労省のwebサイトに掲載

 

厚生労働大臣による指定を受けた資金移動業者の情報は、同省のWebサイトに公表されます。指定された資金移動業者名に加えて、破綻時の保証スキームに関する情報(関与する保証機関、保険会社名ばど)、賃金支払いの対象となる口座(アカウント)の種類などが開示される予定です。このほか、金融庁による行政処分(業務改善命令・業務停止命令)が行われた際の情報も公表されることとなっています。

 

まとめ

 

「給与のうち、一定額はQRコード決済や電子マネーでの支給を可能としてほしい」というニーズがあることがアンケート調査の結果からも判明しています。そのため、給与のデジタル払いを選択肢として用意することは、企業の福利厚生の一環とすることが可能でしょう。

また、QRコード決済や電子マネー決済が促進されると、キャッシュバックやポイント還元といった具体的なメリットが拡大することにもつながります。

今後、各運営会社が給与のデジタル払いに合わせたポイント還元等のキャンペーンを実施するのであれば、従業員(場合によっては企業)側もメリットが得られる機会が増える可能性があるでしょう。

一方、既存の給与システムへの改修も必要となることが予想されます。結果的に、開発や運用のコストに跳ね返ってくると思われます。

上記以外でもメリット、デメリットはいろいろとあると思います。先ずは給与の一部からデジタルマネーでの支給をしてみてはいかがでしょうか。

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資金調達コンサルタント/社会保険労務士 大学卒業後、中小企業支援の志を持って北海道拓殖銀行に入行。融資業務を担当して経営を学ぶ必要性を感じ、行内選抜を経て、日本生産性本部主催、経営コンサルタント養成基礎講座に出向。認定経営コンサルタント資格取得をして銀行に戻るも、経営破綻。中央信託銀行に就職したが、中小企業支援への想いは忘れられず、悶々とした日を過ごす。 その間、社会保険労務士、行政書士、FP1級、宅建士を取得し、独立を意識する。 55歳を機に三井住友信託銀行を退職し、札幌商工会議所の経営指導員を経て独立。 若き入行時の志を現在実行中。

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